淡路島の山中へ、ツル取りに行きました。
「つづらふじ」のツルです。
取りに行ったのは1月の寒風吹きすさぶ寒い日。
風が本当に強くて、明石海峡大橋を渡るときに、車が揺れてハンドルをとられそうになりました。怖かった。
寒さ対策として、長靴をはいて、カイロを背中に2枚、足にも貼りました。
セーターの上にさらにベストを着て、着ぶくれコロコロ状態です。
そんなに寒い時に行かなくても、と思われるかもしれませんが、真冬の間にしか山の中には入れません。
暖かくなると、毛虫や蛇(マムシ)が出てくるからです。
取りに行くのは、遅くても3月中頃までだそうです。
ツル取りは、知らない山に勝手に入って、勝手に取ってくるなんてことはできません。園芸療法士仲間と共に、かご編みの師匠に連れて行っていただきました。
師匠は、淡路島のどの山のどの場所にどんなツルがあるのか、よくご存じです。
今回ツル取りをした場所は、道端に車を停め、歩道の横から道なき道を分けいって入っていくところ。長靴を履いてきて正解です。
初めてのツル取りは、最初はどこにツルがあるのか、なかなか探せませんでした。
段々目が慣れてくるのか、「あ、あそこにツルが」と次第に見つけられるように。
次第に楽しくなってきた私たちは、先生が別の場所に行ったのも気づかず
「それ良さそう」
「これ一緒に引っ張って」
とワイワイ言いながら夢中になりました。
勢いよく引っ張って、山から転げ落ちそうになったことも。
寒さも忘れてこんなに夢中になれるとは、思いもよりませんでした。
《自然の中でのもの探し》
取ったツルを使って、その後、カゴやリースを作ることになるのですが、このツル取りで感じたことは、自分で材料を集めるのはすごく面白い、そして、それで作ったものにはいつも以上に愛着が生まれるものだ、ということです。
素材となる植物探しは、無理なく自然と触れ合えるし、多人数で行けば一緒に探すことで情報交換・協力するので、必然的にコミュニケーションも生まれます。
宝探しのような感覚で探すから、とても集中します。
リースの土台やツルを購入しなくてもよくなるので、少ない予算で済みます。
園芸療法にはぴったりの活動です。
ただ1点残念なところは、安全のことを考えると、高齢者には厳しいというところです。
このツル取りがあまりに楽しかったので、先日、大学で講義をさせていただいた際に、学生さんに“リース作りの飾りになるものを何でもいいから次回の講義までに集めておいてください”と宿題を出しました。
葉っぱでも、木の枝でも、木の実でも、石ころでも、何でもいいと言いました。
学生さんは、どこで、何を取ってくるのか、そこで何を感じたか、話を聞くのが楽しみです。
《新年度の園芸学校の取り組み》
淡路景観園芸学校の教授の話では、春からの新年度には、県内の都市公園を舞台に、市民向けの園芸療法ストレスマネジメント活動がスタートするそうです
素材となる植物探しもプログラムのひとつに取り入れて、自然の中でのワクワク体験を増やしていければと考えます。